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雨漏り

雨漏り 2023.12.04 (Mon) 更新

こんにちは👷

香川県高松市外壁塗装・屋根塗装・雨漏り専門店

北村塗装店です🐘

この前の雨漏りの続きのお話をしていきたいと思います🌝

破風・鼻隠しからの雨漏り

破風、鼻隠しと聞いてもどこのことかわからないという方も多いのではないでしょうか。
破風は「はふ」と読み、三角屋根(切り妻屋根)の妻側(横から見て三角部分)部分を指します。
鼻隠しとは「はなかくし」と読み、屋根の軒先部分、雨樋が取り付けられている下地部分を指します。
屋根面と比較するとその面積は狭い箇所ではありますが、屋根同様、雨水が当たるということに違いはありません。破風は構造上直接雨風が当たりやすい場所にありますし、鼻隠しについては雨樋が設置されているため直接風雨が当たることは破風に比べると少ないものの、もし雨樋に詰まりがあり雨水がオーバーフローしてしまうようなことがあれば集中的に雨水を浴びる形となります。

素材としては木材や窯業系建材が多く、塗装によって防水性を維持しているため塗膜が剥がれて色褪せが始まることで破風自体に雨水が染み込むようになり素材の劣化・腐食を進めることになります。

雨水の吸水と乾燥を繰り返せば、素材が変形し反りや剥がれがといった不具合が隙間を生み、雨漏りへと発展していくこととなります。

また板金にてカバーされているお住まいもありますが、経年劣化で「板金が浮いている」「釘が抜けてしまっている(浮いてしまっている)」といったことから板金内部への雨水の浸入を許してしまえば、同様に内部の木材の劣化や腐食を進めることになり結果として雨漏りへと発展してしまいます。また板金特有の不具合として塗膜の剥がれ箇所から錆が発生し、重症化することで錆から穴あきにまで発展すれば雨水の浸入を止めることはできないことは容易に想像できてしまいますね。

いずれにしても浸入した雨水が腐食を進めてしまえば破風や鼻隠しが崩れ落ちてしまったり、軒天の劣化を進めることにもなります。

鼻隠しからの漏水は雨樋の不具合や排水不良とも大きく相関関係があります
適切に地上、下水への排水を促す雨樋が詰まっていることによって溢れ出た雨水が鼻隠しを濡らす、樋受け金具の不具合によって雨水が金具を伝って鼻隠しを濡らすといった具合です。
お住まいに取り付けられている部材一つ一つには意味があり、正確に仕事をさせるような施工がされています。もちろん雨樋もその一つです。
特に雨樋は雨水を取り扱う部材であるため不具合があれば、雨水による悪影響が必ずどこかに出てきます。雨が降った日に「雨水がバシャバシャと溢れている」「雨樋の隙間から水が落下している」など本来の役割を果たせていない状態を見かけたら早急に専門業者に点検を依頼するようにしましょう。

陸屋根は雨漏りしやすいという事実

ここまで屋根で雨漏りしやすい箇所、またその原因について見てきました。
雨を直接受ける屋根だからこそ様々な箇所が雨漏り原因となり得ることをご理解いただけましたね。
また屋根には雨漏りがしやすい形状の屋根もあります。
それは「陸屋根」です。
屋上がある建物というとイメージがつきやすいかもしれませんね。

戸建てだけではなく屋上のあるビルやマンションなども陸屋根です。

例えば太陽光発電システムなどの設備を置いたり、洗濯物干し場として活用したり、屋上庭園を楽しんだりと様々な用途に使用できるというメリットがある反面、他の形状の屋根と比較しても傾斜がないため「雨水に触れている時間が長くなる」「雨水がたまりやすい」といったデメリットが雨漏りを引き起こしてしまうことがあります。
また建物内部への雨水の浸入を防いでいる床面はウレタンやFRP、またシートなどの防水工事によって防水層が形成され、さらにトップコートによって防水層が保護されていますが紫外線や熱を浴びることによって経年劣化を放置してしまえば「亀裂」「ひび割れ」、「塗膜や防水シートの剥がれ」といった不具合を発生させます。陸屋根の防水や防水層によって守られているため防水層に不具合が起これば、すなわち雨漏りが始まってしまうことを意味します。トップコートは5年程度に一度、また防水層についてもそれぞれの防水工事の耐用年数に合わせたメンテナンスが必要です。
 

お住まいの外装の中でもっとも面積の広い外壁も雨漏り発生箇所になり得ます

雨を受け止めるような形で存在する屋根は、その性質上どうしても雨漏りが多くなることはご理解いただけると思います。

しかし外壁となると「そんなに雨が当たる場所ではないから雨漏りなんてあるの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、外壁からの雨漏りも実は非常に多いのです。

しかも外壁からの雨漏りには、

台風の時だけ発生
強風を伴った大雨の日だけ発生

といった特徴があるのです。

何となくわかりますでしょうか?

そうです。

風を伴わない雨であれば屋根で受けた雨は雨樋から地上へと排水されるためそこまで外壁が雨の影響を受けることはありません。
しかし台風や強風時といった状況下では話が変わってきますよね。
「横殴りの雨」が外壁を打ち付けるのです。
また天候とは関係ありませんが、雨樋に「割れ」や「外れ」などの不具合があれば、そこから漏れた雨水が外壁に直接かかることにもなります。

屋根と比べて二倍以上の面積を持つ外壁ですから、大量に浴びた雨水がいたるところで雨漏りを引き起こしてしまう可能性があるのです。

雨漏りが起きるということは「隙間」があるということですが、では外壁ではどのような箇所に隙間が生まれやすく、雨漏り発生箇所となり得るのでしょうか。
窯業系サイディングや金属サイディング、モルタル、タイルなど外壁材にはいくつかの種類がありますが、いずれの外壁であったとしても「外壁からの雨漏り」という点において弱点部分は共通しています。

本来であればあらかじめそういた部分に対してそれぞれの部材に合わせた定期的なメンテナンスを行い、雨漏りを防いでいくことが正しいお住まいの維持管理方法であることに間違いはありませんね。しかも外壁からの雨漏りは症状が顕在化するまでに時間がかかるという特徴があります。それは屋根の場合と違い、外壁から浸入した雨水は水平方向に進まない限り、室内の壁に雨染みを作ることができないからです。

屋根であれば重力に従い、落ちてきた雨漏りが屋根から小屋裏、室内天井といった形で室内まで到達しますが、外壁から浸入した雨水が室内の壁にその姿を現すまでには含水した雨水が少しずつ水平方向にも移動を進め、さらに防水紙や断熱材を通り抜け必要があることも考えると症状発覚まで時間がかかるということをご理解いただけるのではないでしょうか。そのせいもあり外壁からの雨漏りは気づきにくく、また室内側で症状を表した時には既に外壁内部の腐食が相当進んでいるという可能性もあるのです。

意外に多い!?ベランダ・バルコニーも雨漏り発生の主な箇所

お住まいを囲っている屋根、外壁。雨漏りというと「屋根か外壁からでしょ?」と思われている方が実際は多いのではないでしょうか。しかし外壁から外に突き出た形で取り付けられているベランダやバルコニーも雨漏り原因となることが非常に多いのです。
雨漏りの現場調査にお伺いするケースとしては「屋根のない」バルコニーからの雨漏りが圧倒的に多く

雨が降った際にバルコニー全体が雨水に晒されてしまう
南側に面していることから太陽の熱や紫外線に晒されやすい

このような特徴・環境が雨漏りを引き起こす一因となってしまっています。

つまり経年劣化が起きやすい環境にある上に、雨が降れば遮るものがなく雨を浴び続けることになるわけですね。環境としては大変過酷な環境にあることをご理解いただけると思いますが、それではどのような場所で雨漏りが起こりやすいのでしょうか。
バルコニーやベランダのもう一つの特徴は屋根や外壁と比較して多くの部材によって構成されているため構造上複雑な絡みが多いということです。
上記はバルコニーやベランダで雨漏り発生箇所となりやすい場所となりますが、それぞれの部材が複雑に絡んでいることから例えば手すり壁や袖壁に原因があり、手すり壁や袖壁を直す際に原因ではない笠木まで交換が必要になったりするケースがあるなど一箇所直そうとするとそこだけでは済まず別の箇所の補修も必要となるケースも多いのがバルコニー、ベランダの雨漏りの特徴となります。

雨漏りが起こっているということは防水紙も劣化しているということ

さて、屋根、外壁そしてベランダ・バルコニーからの雨漏り発生の理由・原因箇所を見てきました。雨漏りが起こるということはどこかに雨漏りの浸入口となる「隙間」があるために、そこが原因箇所となっているということで話を進めてきました。 もちろん間違ってはいませんが、「雨漏り」は実はもう少し複雑なのです。

ここまで読んだ皆さんの中には、
「瓦が割れてしまった・・・」
「外壁に大きなクラック(ひび)が発生した・・・」
など雨水の浸入口があるとそこから雨水が入り込み、すぐ雨漏りとして木材を弱らせる、室内に雨染みを作るといった被害を生むと想像されていらっしゃる方もいるかもしれません。

しかし屋根や外壁の内部には、室内への雨水浸入を防いでいる「防水紙」が敷かれています

「屋根材の不具合からの雨漏り」部分の説明で”一次防水”という話がありましたが屋根も外壁も100%雨水をシャットアウトできることばかりではありません。

そもそも屋根には湿気排出のため屋根材の重なり部分には必ず隙間が設けられていますし、外壁についてもシーリングの亀裂や外壁のクラックなどができてしまう事は想定されたうえで屋根・外壁といった一次防水で防ぎきれない雨水を構造体や室内に達しないよう最後の砦として防水紙が存在しているのです。ということは、つまり室内にまで雨水が達して雨染みができているということは、どこかで防水紙の破れや剥がれといった不具合があり、雨水が防水紙を通過してしまっている「隙間」が存在していることを意味します。

屋根や外壁に寿命があるように、防水紙にも寿命があります。半世紀ほど持つ防水紙も存在しますが新築で使われているものはほとんどが15年~20年程度で寿命を迎えます。この防水紙が役割を果たさなくなると屋根、外壁にとって一大事になるわけですね。

雨漏りの点検を依頼し、ご提案・お見積りをいただく際には防水紙の交換が必要になるのかといったことも気にしてみましょう。もしそういった話が業者からなければ質問をしてみることをお勧めします。時間をかけて雨染みを広げている雨漏りを目の前にして、安易に「被害箇所をちょっとシーリングで埋めておけば大丈夫ですよ」と言ってくる業者はもしかしたら経験・そしてお住まいの構造に対する知識があまりない業者である可能性も否定できません。

雨漏りによって防水紙はおろか構造体を腐食させてしまうようなことがあればそもそもお住まいの強度にも関わる重大な事案です。点検は実績のある専門業者にご依頼することをお勧めします。